視線・表情取得ツールFACT4を利用。コロナで変容するエンタメ業界の活性化を狙う
マーケティング支援事業および品質向上支援事業を手がける株式会社ウェブレッジ(所在地:福島県郡山市、代表取締役:佐藤 保、以下:ウェブレッジ)は、お笑い動画閲覧時における「笑いの量」を「笑度」と名付け、笑度をスマートフォンのみで定量的に取得するツールを開発いたしました。また、株式会社浅井企画(以下、浅井企画)様ご協力の元、当ツールを使用して実証実験を行いました。
開発の背景:新型コロナウイルスの感染拡大により変容する“エンタメ業界”に着目
新型コロナウイルス感染症により、エンタメ業界では劇場型のライブやイベントの開催に代わり、オンラインでの活動を模索する動きが活発化しています。アフターコロナも今回のような状況に備え、オンラインでの活動に注力していくことが予想されます。
「体験を科学する」をキーワードに、ユーザーの体験を定量化し、ITサービスの評価および開発支援を行うウェブレッジでは、エンタメ業界の中でも「お笑い」に着目しました。客観的にお笑いの評価をすることで、演者へ適切にコンテンツの評価をフィードバックすることができ、その結果としてより多くの視聴者の笑いを増やすことができればと考え、サービスの開発を開始いたしました。
笑度測定ツールとは
「笑度測定ツール」は、ウェブレッジが開発したツール「FACT4」の技術を利用し、お笑い動画のどのポイントで視聴者が笑ったかなどを測定することができるツールです。「FACT4」とは、スマートフォン内蔵のカメラでユーザーの視線・表情を読み取り、サービスの評価および検証を行う次世代型マーケティングツールです。
FACT4についてはこちら http://fact4.info/
スマートフォンアプリを通して動画を閲覧すると、サーバー上に取得した視線・表情のデータが蓄積され、分析結果を管理画面上で閲覧できるシステムとなっています。
この「笑度測定ツール」は一例として下記の活用を見込んでいます。
- エンタメ業界、番組制作会社における調査時に活用。お笑いコンテンツの企画・開発時に事前調査を行うためのユーザー調査、マーケティング調査等の実施時に本ツールの活用が可能です。
- 動画コンテンツ配信者、芸能事務所向けのツール提供。動画配信者が本ツールを利用し配信内容を確認することで、ユーザーの反応を元に改善を行うことが可能です。
実証実験について
この度は株式会社浅井企画様にご協力いただき、笑度測定ツールの利用について実証実験を行いました。
調査概要
- 調査期間 2020年9月14日~9月18日
- 調査対象 22歳~58歳の男女
- 調査内容 スマートフォンにてお笑い動画を視聴(「エーデルワイス」「ジャイアントジャイアン」出演のお笑い動画2本)
調査結果
グラフでは、被験者が笑った箇所を「Good」、つまらない表情をした箇所を「Bad」、表情に変化の見られなかった箇所を「Normal」として表示しています。
今回は調査に伴い、動画に出演した本人が「ここで笑いが起きるはず」と予想した秒数を「お笑い予測ポイント」として事前に提供いただきました。このお笑い予測ポイントを調査結果に重ねると、このポイントでは概ね「Good」の反応(笑っている)を示すデータの量が増えていることがわかります。また、動画を視聴して「面白かった」「まあまあ面白かった」と答えたユーザーのみのデータと比較してみると、Good-Normal-Badの判定の変化の度合いが大きく、より表情が豊かに変化していることが読み取れます。
このように、実際に起きた“笑いの量”を数値として確認できるため、視聴者の反応を明確に把握することができます。また、視聴者属性(年齢・性別など)や演者に対する認知度による反応の違いを視覚的に判断することもでき、ターゲットに沿ったネタ作りを行う際の改善などにも利用できます。
感想レポート
この度の調査にご協力いただいた、浅井企画所属のエーデルワイス 門田さんとジャイアントジャイアン かーしゃさんによる、感想レポート記事をWebで公開しております。
- エーデルワイス門田さんのレポート : https://mobile-univ.com/archives/23289
- ジャイアントジャイアンかーしゃさんのレポート : https://mobile-univ.com/archives/23291
今後の展望
今後も実証実験を引き続き行い、主にエンタメ業界のクライアントの要望等を取り入れながら機能の拡張を行ってまいります。
なお、オンラインでのライブ配信時にリアルタイムで視聴者の反応を演者に届ける機能や、取得した笑度データを分析し、視聴者の好みにあったお笑い情報をレコメンドする機能などの企画も検討しております。
将来的には、このレコメンド機能を広告配信分野へ展開することを企画検討しております。モバイル、サイネージの動画コンテンツ視聴者に対して本ツールを適応することで、個人毎に好みを把握することも可能になり、各視聴者に有益かつ好まれる広告を提供することができるようになると考えています。
今後はお笑い業界に限らず、他の分野にもご活用いただけるよう企画してまいります。
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