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ソフトウェア開発におけるリスクとテスト

ソフトウェア開発のテストは、ただ単にできたものを検証すればいいというものではありません。
テストにも開発と同じように、さまざまなリスクがあります。
それらのリスクを考慮せずにテストを進めてしまうと、後々になって大きな問題に発展する場合があります。
ここでは、ソフトウェア開発におけるリスクとテストについて解説します。
■ソフトウェア開発において「リスク」とは
JSTQBでは、ソフトウェア開発においてのリスクを
「イベント、危険、脅威、発生する状況などの見込みと、その望ましくない結果、あるいは可能性のある問題と定義できるもの」と定義しています。

また、リスクによるレベル(影響度)は、
「不利なイベントが起きる見込みと、そのインパクト(イベントによる結果がもたらす損害)で決まる」としています。
つまり、リスクとは、プロジェクトや製品、もしくは自分たち自身に対し、不利益をもたらす可能性がある「何か」ということになります。
■プロジェクトを進めるうえで考えられるリスク
risk

プロジェクトを進める上で考えられるリスクにはどのようなものがあるでしょうか?
それを考えるには、「プロジェクトを進める上で大切なこと」を想像すれば見えてきます。
つまり、「ヒト」「モノ」「カネ」です。プロジェクトのリスクは、プロジェクトにおいて重要な箇所に潜んでいるのです。


①ヒト:

ヒトの要素は、大きく「テストをおこなう組織」と「そこに関わる組織」に分けることができます。

・テストをおこなうヒト:テスト担当者から、システムを開発したエンジニアや、テストに参加してもらう一般ユーザーなど、テストに直接関わる人たちを指します。
ここでは主に、テストに関する知識・スキル・経験不足や、個人が持つ問題、適切な人員の配置ができていないなど、組織的なリスクが考えられます。

・その他のテストに関わるプロジェクトのヒト:プロジェクトの管理や、開発グループ、その他の営業や企画や管理部も、間接的に関わりを持っています。
すると、その組織で起きた問題(たとえばお客様の急な要望やクレームで仕様が変わるなど)が、テスト自体に影響を及ぼす可能性も考えられます。

②モノ:

この場合のモノとは、テストに関するソフトウェアや、ハードウェア、ドキュメントなどのテストウェアを指します。

・ソフトウェア:テスト対象となるシステムそのものや、それを動かすOS、ミドルウエアなどがあります。

・ハードウェア:テストをおこなう環境のことです。

・ドキュメント:この場合のドキュメントは、仕様書、設計書、ソースコード、テスト設計書、テストデータ、テスト報告書など、多岐にわたります。

③カネ:

カネとは、単に費用を出せばいいというものではなく、予算や実績コスト、各種スケジュールなどが当てはまります。
また、スケジュールの遅延は、最終的に金銭的なリスクを発生させます。
たとえば、想定外の欠陥や仕様変更があり、プロジェクトの進捗自体が滞ると、それだけ人件費や維持費がかかり、機会損失にもつながります。

■プロダクトを作るうえで考えられるリスク
プロダクトを作るうえで考えられるリスクとは、「ソフトウェアやシステムで欠陥がありそう、事故が起きそうな領域」のことを指します。
つまり、製品に対するテストに抜け漏れがあった場合に考えられるリスクということです。

●欠陥を含む製品のリリース:
リリースした製品に欠陥が見つかった場合、その回収から修正にかかる費用まで、すべて自分たちで負担しなければなりません。
これらはすべて、開発した企業にとっての損失になります。

●製品が、個人や会社に対して損害を与える:
この場合、製品を開発した企業は、製造物責任の観点から、責任を負わなければならなくなる可能性があります。
それに伴い、損害賠償が発生する可能性もあります。
また、その場合は企業自体の信頼も落ちる可能性があります。

●品質の低い製品:
が仕様を満たしていても、ユーザーやクライアントの満足度は低いものになります。
これは、製品や企業に対する信頼や魅力の喪失につながります。

★まとめ
●リスクとは不利益をもたらす可能性がある「何か」
●プロジェクトを進めるうえで考えられる「ヒト・モノ・カネ」のリスク
●プロダクトを作るうえで考えられるリスク

ここまでで、ソフトウェア開発におけるさまざまなリスクについて解説してきました。
これらのさまざまなリスクを最小限に抑えるために、ソフトウェアの開発に「テスト」は必要不可欠なのです。



【参考文献】:
『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第3版』

【参考URL】:
http://www.it-innovation.co.jp/2013/09/11-191800/,(参照 2016年7月30日)
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0505/25/news114.html,(参照 2016年7月30日)
http://akademeia.info/index.php?%A5%BD%A5%D5%A5%C8%A5%A6%A5%A7%A5%A2%A5%C6%A5%B9%A5%C8#he5c89c5,(参照 2016年7月30日)
https://www.ipa.go.jp/files/000026834.pdf,(参照 2016年7月30日)
http://www.sint.co.jp/products/obpm/serial/serial15.html,(参照 2016年7月30日)

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