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「RPA」とは? ソフトウェアのテストもロボットがやる時代へ。

RPAとは?

ここ数年、業務効率化・業務改善に革新をもたらすものとして期待があつまる「RPA」という言葉をご存知でしょうか。

総務省情報流通行政局が2017年に発表した情報によると、「2017年のRPAの導入状況に関する調査では、国内企業の14.1%の企業が導入済み、6.3%が導入中、19.1%が導入を検討中でした。市場規模は2017年度が31億円、2021年度には100億円規模になると予測されています」という記載があります。

RPAは、AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット接続化)・クラウドコンピューティング・ビッグデータなどとともに、第4次産業革命「Industry 4.0」の重要な要素の一つです。

産業革命の歴史

人材不足や働き方改革・多様化といった、働く環境の激変を乗り切るための重要なソリューションとなりえるRPAは、2010年代後半に入ってから急激に注目されるようになりました。

RPAとは

RPAは「Robotic Process Automation」の略称です。直訳では「ロボットによるプロセス自動化」となります。

「ロボット」は製造業(モノづくり)の現場で活用されている印象が強いと思います。モノづくりの現場では、従来、人間が実施してきた作業を定型化し、その定型作業を正確に・すばやく行うことで、業務の効率化と品質向上(及び生産性向上)を図る取り組みをするため、産業用ロボットの研究・開発が進められてきたからです。

よく考えてみると、IT業界にも定型作業はあります。そこに、モノづくりの現場同様にロボット(RPA)の概念を導入し、定型作業を(ソフトウェアの)ロボットに習得させて自動実行させることで業務効率化を図ろう、という動きが出てきました。機械学習技術が飛躍的に進化したことで、ロボットによる業務プロセスの自動化が簡易に実現できるようになってきたのです。こうしたソフトウェアロボットによる業務自動実行を実現するソリューションを、「RPAツール」と呼んでいます。

RPAツールの特徴

RPAツールでは、あらかじめ人が操作する内容を記録し(学習)、その内容を繰り返し実行(自動実行)することができます。具体的には、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)上での操作を認識する技術とワークフロー実行を組み合わせて実現されています。つまり、普段私たち人間がパソコンを操作して行っている作業であれば、RPAツールによる自動化が実現できる可能性があるわけです。

従来から、業務システムには「バッチ処理」という、大量データ処理や定型処理の自動実行の仕組みがありました。RPAツールはある種のバッチ処理とも言うことができますが、いわゆる画面系(オンライン系)の処理を自動実行できる点がこれまでのバッチ処理の考え方との違いです。

ですから、スプレッドシートやメールクライアントといったアプリケーションから、ERPやCRMのようなブラウザ経由で操作するシステムなど、複数のアプリケーションやシステムをまたいで実施している複合的な業務プロセスを、RPAツールで自動実行できるようになるのです。

RPA活用のメリット

RPAツールは、記録された定型作業を繰り返し実行することができます。従って、RPAツールを導入することにより、下記の3つのメリットが生まれます。

1. 定型作業から貴重な労働力(リソース)を解放

従業員にもっと創造的な活動(例えば、新規顧客開拓や新製品の企画・開発、等)をさせたい―。そう考える経営者は多いです。RPAを導入し、定型作業をロボットに任せれば、従業員を定型作業から解放し、ロボットが実行できない業務のみに専念させることができます。

2. 属人化から解放

一度でもロボットに業務を記録してしまえば、その時点から業務の属人化を防ぐことができます。業務を熟知していた従業員が離職・休職するリスクを考え、RPAを導入することで業務停止を防ぐことができるようになります。

3. ミスの撲滅

ロボットを始めとした機械が最も得意なのは「同じ品質で何度も作業を繰り返すこと」です。人間が実施するとどうしてもムラやムダが出てしまいます。そうしたムラやムダをなくし、品質と生産性の両方を同時に向上させることができます。

RPAとソフトウェアテスト

ソフトウェアテストも、ある種の定型作業的な側面を持った業務といえます。ですから、RPAツールの普及が始まる以前から、ソフトウェアテストの自動実行ツールは、システム開発の現場で広く普及してきました。

日々の業務を定型化し、定型化した業務をロボットに実行させることで、自動化(自律化)を実現する―。この概念は、システム開発において絶対に欠かせないながら、できれば効率化(省力化)したいテスト業務にこそ、RPAの概念を積極的に導入して自動化できるところはロボットに自動実行させていきたいものです。

まとめ

業務の定型化は、それぞれの業務を熟知したユーザー側にしか実施できません。しかし、マニュアルやフローが定義されている業務を第三者が確認し、ロボットが自動実行できるようにRPAツールに落とし込むような取り組みは、近年、劇的に進んでいます。

ソフトウェアテストにおいても同様の動きが進んでいます。システム開発自体はプロジェクトチームのエンジニアたちが牽引すべきものですが、作成された成果物の確認作業をアウトソースすることで品質向上と業務の効率化を狙うことは、ごく自然な流れと言えるでしょう。そうしたニーズに応える品質向上支援のスペシャリスト集団である株式会社ウェブレッジでは、RPAの概念をシステム開発のテスト業務に積極的に導入していきます。

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【参考文献】
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html