システムの効率的な開発に役立てたいソフトウェアテストツールについて、基本となる事柄を押さえておきましょう。テストツールと一口に言っても、単純にシステムテストを自動化するツールだけではありません。導入の目的やツールの種類を知ることで、より効果的な活用につながります。
テストツールの導入目的はより具体的にイメージを
テストツールを導入する目的を端的に言うと、作業の効率化とミスの削減です。多くの人が漠然と持っているであろう「ツールに任せることで楽になる」というイメージに間違いはないのですが、より具体的な意義を押さえておくと的確なツールの導入が可能です。
◆テスト工数の削減
手動で行っていた作業を自動化し、工数削減を図ることはテストツール導入の最大の目的と言えます。テスト実績の集計や分析など繰り返し行う作業や、静的テストなど量の多い作業に導入すると、より大きな効果が得られます。
◆テストの質の向上
ツールの利用による人的ミスの削減は、テストの質の向上につながるもっとも分かりやすいポイントです。さらに人の手では再現しにくい特殊な状況を作り出してテストができる、リソース不足解消により実施するテストの量を増やせるなど、より積極的に質を高める施策が取りやすい点もテストツールを導入するメリットです。
こうした効果により、「人員の確保にかかっていたコストを何%削減したい」「製品や自社への信頼をここまで高めたい」など、より具体的な目的を定めるとツールの選定に役立ちます。
テストツールの種類を知り、的確な活用を目指す
テストツールにはさまざまな種類があり、上手く組み合わせることで相乗効果を得られることも多くあります。その一方で、使いどころがチグハグな場合、せっかくのツールを活かしきれないケースもあります。どのようなシーンで、どういった役割を果たすツールがあるのか、主だった用途別にチェックしておきましょう。
◆プロジェクトマネジメントの支援ツール
実際にテストを行うツールではなく、プロジェクトを遂行する人の負担を減らすためのツールもテストツールになります。テスト結果の監視や記録、進捗の調整などテスト管理の負担を減らし、プロジェクトマネージャーを支援する「テストマネジメントツール」はその代表的な一つです。開発に欠かせないプロジェクト要件の作成や変更などが可能な「要件マネジメントツール」、インシデントの管理や欠陥追跡を目的とした「インシデント管理ツール」などの機能を持つツールもあります。
◆静的テストの支援ツール
情報の記録や共有などの機能でレビューの精度向上に役立つ「レビューツール」、問題を検出、チェックする機能などを持つ「静的解析ツール」や「モデリングツール」など、静的テストを支援するツールもあります。プログラムを実行しない状態で検証を行うためのこうしたツールを使うと、開発の早い段階で問題点を見つけるのに役立ちます。
◆テスト仕様の支援ツール
テスト仕様の支援ツールには、テストケースの作成などテスト設計の効率化に貢献する「テスト設計ツール」、テストに必要な大量のデータをスピーディーかつ人的負担を軽減して用意できる「テストデータ準備ツール」があります。
◆テスト実行、結果記録の支援ツール
テストの実行、結果の記録を支援するツールは、「テストツール」という言葉から多くの人が想像するツールでしょう。テストの実行を自動化する「テスト実行ツール」、テスト結果の比較・検証に利用する「テスト比較ツール」、セキュリティの確保につながる「セキュリティツール」に加え、「テストハーネス、ユニットテストフレームワークのツール」「カバレッジ計測ツール」などがあります。
◆性能、モニタリングの支援ツール
プログラムを実行した状態でさまざまな検証を行う「動的解析ツール」、処理能力の評価などに役立つ「性能テスト、ロードテスト、ストレステストツール」、また補助的な役割を果たす「モニタリングツール」などがここに分類されるツールです。
まとめ
このようにテストツールには豊富な種類・役割があります。自身の抱える課題、解決したいポイントを見極め、見合うテストツールの活用を目指しましょう。
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弊社にはテストのスペシャリストと自動化のスペシャリストが在籍し、オープンソースのテストツールを活用したwebアプリ/スマホアプリ/webサイトの自動テストを構築する支援を行っております。詳しくはテスト自動化支援サービスをご覧ください。
【参考文URL】:
https://webrage.jp/techblog/automation_overview/ ,(参照 2017年5月29日)