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ウイルス対策ソフトだけではサイバー攻撃から企業を守り切れない — 脆弱性診断で見える本当のリスク

はじめに

「ウイルス対策ソフトを入れていればセキュリティは大丈夫でしょ?」という声をよく聞きます。もちろん、これはサイバー攻撃から企業を守るためのとても大事な道具です。しかし、最近のサイバー攻撃は、端末の中だけを見張っていても気づきにくい“隙間”を狙ってきます。例えば、家の玄関の鍵を閉めていても、窓や裏口の鍵が開いていたり、壁に小さな穴があれば、そこから入られてしまうのと同じです。だからこそ、どこに“隙間“があるかを広い視点で点検し、直していくことが欠かせません。では、まず基礎の守りであるウイルス対策ソフトの役割を整理します。

ウイルス対策ソフトがサイバー攻撃から守ってくれるところ

ウイルス対策ソフトは、ウイルス対策ソフトは、端末上の不審なプログラムや挙動を検知・遮断するのが得意です。危ないファイルやメールの添付を止めたり、怪しげなサイトへのアクセスをブロックしたりして、端末の中で起きる分かりやすい「悪さ」を抑えてくれます。これはとても重要な役割であり、最初に整えるべき基礎の守りです。ただし、これだけで全体を守り切れるわけではありません。次に、見落とされがちな隙間について見ていきます。

ウイルス対策ソフトでは守りきれないところ

攻撃者は端末の外側や設定の隙間を狙います。端末の中だけを見張る仕組みでは見つけにくい「設計や運用の隙間」が標的になるため、別のやり方で点検して直す必要があります。例えば、以下のような弱点は端末内の対策だけではカバーし切れません。

・ソフトや機器の更新が止まっていて古いままになっている
・インターネット上で動かしているサービスの設定が一部間違っている
・同じパスワードを使い回してしまっている
・ホームページの作りに見落としがある
・社内機器を初期設定のまま外に公開してしまっている

このような“設計と運用の隙間”が、実際のサイバー攻撃でどう突かれているのか。直近の動向とあわせて見てみましょう。

最新の脅威動向とランサムウェアの進行プロセス

直近の動向にも、その兆候が表れています。警視庁(*1)は令和7年上半期、重要インフラでDDoS(サーバやシステムに大量のデータを一斉送信し、ネットワークを麻痺させ、システムを一時的に停止させるサイバー攻撃手法)や情報窃取を狙う攻撃が相次いだと発表しました。警察庁が設置しているセンサー (*2)でも、海外発を中心に脆弱性探索の不審アクセスが高水準でした。ランサムウェア被害報告も116件と、半期の最多水準です。
こうした状況下で、ランサムウェアの被害は「一発で感染して終わり」ではありません。ランサムウェア攻撃は、入口→内部→出口という“流れ”で段階的に進みます。

入口(侵入)
・不審なメール、古いソフトウェアの脆弱性、公開設定ミスなどから静かに侵入

内部(横展開・権限昇格)
・正規機能や管理ツールの悪用により、共有フォルダや管理基盤へ近づく
・マルウェア特有の挙動が目立ちにくく、エンドポイント対策だけでは検知が難しい局面

出口(窃取・暗号化・恐喝)
・データを窃取し、さらに暗号化で業務を停止させ、二重の圧力で身代金を要求

このように、ランサムウェア攻撃は入口・内部・出口それぞれの“隙間”を突くため、広い視点で隙間を塞ぐ備えが必要です。

number_of_reported_ransomware_cases
出典:サイバー空間をめぐる脅威の情勢等|警察庁Webサイト(統計データをもとにグラフを作成)

だからこそ必要な「脆弱性診断」

その具体策が、脆弱性診断です。これは、対象システムやネットワークの弱点を洗い出し、リスク評価と修正の優先順位を提示する点検です。家の総点検のように、外に出している部分、よく使う部分、細かな設定までを対象に、機械による広いチェックと、人の目での丁寧な確認を組み合わせて進めます。その結果をもとに、設定の見直し、更新の実施、設計の修正など、現実的で実行しやすい直し方へつなげます。入口では更新漏れや不必要な公開の設定を正し、内部では権限の付け方や共有の設定を整え、出口では想定外の情報の見え方や持ち出されやすい導線を見直す—こうして段取りに沿って弱点を減らします。新しい機能を公開する前や大きな変更の後、そして定期点検として繰り返すことで、見落としを減らし続けられます。

当社では、豊富な経験を活かし、ツールによる診断に加えて診断員による手動検査を行う「脆弱性診断サービス」と、コストと期間を抑えた「脆弱性ツール診断サービス」をご用意しています。お客様の状況や目的に合わせて、入口・内部・出口のそれぞれに適した診断計画をご提案します。

サービスの詳細は以下よりご確認ください。

– セキュリティ診断

– デロイト トーマツ ウェブレッジ株式会社は新たに「脆弱性ツール診断」サービスの提供を開始いたします

「うちは大丈夫」と思っている今こそ、まずは現状を客観的にチェックしてみませんか。貴社と取引先を守るため、ぜひお気軽にご相談ください。

詳細、出典:
*1:警察庁 令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
*2:警察庁 不審なアクセスの観測状況(説明)
(警察庁が設置しているセンサー:警察庁は全国の警察施設のインターネット接続点にセンサーを設置し、その観測結果から不審なアクセス等を調査している。)

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