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第三者検証視点でのUXについて

本記事では、第三者検証視点でのUXについて弊社の考えも踏まえてご紹介致します。

UXに関する大きな誤解

UXに関しては、さまざまな解釈で語られていたUXについて共通の認識を形成すべく、2010年に当時の専門家30名が「UXの概念」について議論した成果として、“USER EXPERIENCE WHITE PAPER(2011)”[日本語訳版『ユーザーエクスペリエンス(UX)白書』(http://site.hcdvalue.org/docs)]が発表されました。
しかし、このUX白書では「UXを一つで定義できない」という告白から始まっており、定義ができないかわりに「複数の概念を包括した用語である」と明らかにすることに留まりました。

『ユーザーエクスペリエンス(UX)白書』の「はじめに」より
(略)
ユーザーエクスペリエンスという用語は、ユーザビリティ、ユーザーインターフェース、インタラクションエクスペリエンス、インタラクションデザイン、顧客経験、ウェブサイトアピール、感情、“ワオ効果”、一般的経験の同義語として、また、これらの全てや多くの概念を包括した用語として、よく用いられます。

このことからも、UIはUXの一部で両者の本質的な目的は異なるものと考えられます。 それにも関わらず、一般的に「UI/UX」と併記されることが多いため、UIデザイナーとUXデザイナーの役割や専門性には、大きな誤解が依然として存在しています。
では、その誤解を解くために「UX」を少し掘り下げてみましょう。

UXの区分と担当者

UX白書では、UXを期間に着目して4つに区分して説明しています。

  • 予期的UX:経験を想像する段階(利用前の期待)
  • 一時的UX:経験する段階(利用中の感動)
  • エピソード的UX:過去の経験を回想する段階(利用後の思い出)
  • 累積的UX:最終的に評価する段階(さまざまな利用状況の回想)

「予期的UX」は広告でユーザーに期待感を抱かせるマーケティング部門の担当です。
「一次的UX」、「エピソード的UX」はユーザーが直接サービスに接するため、UIデザインなどで製造部門が担当することは想像し易いと思います。
一方、「累積的UX」はサービスの総合的評価を担当するため、担当が曖昧になる傾向にあります。

それでは、「累積的UX」を担当すべきは誰なのでしょうか?
要求事項に適合させるためデザインを繰り返して修正する人間中心設計プロセスでは、Co-Creation(共創)のようなユーザーと密接に連携することが提唱されており、累積的UXはステークホルダー全員で作り上げるべきとも言えます。
しかし、これは「一次的UX」、「エピソード的UX」の確度を高めるシステムデザインとしての方法論であり、「累積的UX」ではユーザーの体験そのものをデザインするため、ユーザー満足度やブランディングに責任がある組織が担当すべきでしょう。
このように「UXデザイナー」と言っても、対象とする範囲を直接的なユーザー体験にフォーカスするのか、はたまた体験後のユーザーの活動までフォーカスするのかによってUXデザインの目的も内容も異なります。

ウェブレッジでは、第三者検証における「ユーザー目線」の考え方を「自分自身が対象システムを利用する最初のユーザー」と意識することで、サービスの課題を自分の問題として考えるだけでなく、ユーザーとして湧き上がる根本的な欲求に共感し、サービスのバリュープロポジションを見つめ直すことに努めています。

ウェブレッジのコンセプト
※弊社のコンセプトページでは一般的に併記されることの多い「UI/UX」という表現で記述しております。

第三者検証で目指すUXと課題

UXは立場によってさまざまであることは説明した通りですので、第三者検証視点でのUXを扱ってみます。

図2-4 「設計時の品質」、「製品品質」と「利用時の品質」の関係

「設計時の品質」、「製品品質」と「利用時の品質」の関係

独立行政法人情報処理推進機構:つながる世界の利用時の品質~IoT 時代の安全と使いやすさを実現する設計~(2017.3),14ページ(https://www.ipa.go.jp/files/000058465.pdf) を利用して作成

上図は、ISO/IEC-25010での品質モデルとUI/UXの関係をまとめたものです。 この図では、「ユーザビリティのテスト」は「-ilitiesテスト」として、設計時の品質を確認する考え方がポイントです。 UIは人間とシステムをつなぐインターフェースとしてデザインされたものであり、UXとはユーザーが実際に利用して判断した満足度であることです。
従って、「ユーザビリティのテスト」をする際には、定量的な測定結果から良し悪しを判断するだけでなく、想定するユーザーにとっての価値を判断、または想定しないユーザーの不利益を考慮することで、ユーザー満足度向上や製造物責任のリスク低減に寄与することが、第三者検証で目指すUXと考えています。

ただ、残念なことに、テスト工程は総じてシステムがローンチされる直前が多く、稼働中のプロジェクトで活かすには機会を逸することが少なくありません。

そのためウェブレッジでは、テストエンジニアが上流から参加し、ユーザー満足度をデザインする考え方を要件定義段階から活用することを推奨しております。弊社には、ユーザー満足度の高いシステムをローンチまで導いてきたメンバーが在籍しております。

役割が異なる事をまずは理解しよう

ユーザー満足度の高いシステムを作るために、まず最初は「UIデザイナーとUXデザイナーの役割が異なることを理解すること」が大切だと考えています。

この最初の一歩を踏み出すことで、プロジェクトが効率的になるとは言い切れませんが、ユーザー満足度向上には確実につながると断言できます。

UIデザイナーの責務/UXデザイナーの責務

[UIデザイナーの責務]
魅力的なデザインや快適な操作性などの全体的なプレゼンテーションへの責任

[UXデザイナーの責務]
ユーザーがシステムを使用する際に生じる多様な利用状況に対して、価値を提供する責任

まとめ


・UXとUIは本質的には異なるが、誤解が生じている

・UXの中にも区分があり、担当者や役割が異なる

・ユーザー満足度をデザインする考え方を要件定義段階から取り入れる必要がある

・ユーザー満足度向上や製造物責任のリスク低減に寄与することが、第三者検証で目指すUXである

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こちらでは、実際にウェブレッジのテストエンジニアが取り組んだ事例をご紹介しています。

弊社のUI/UXの取り組み ケース1
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■ウェブレッジはユーザー目線の品質向上に取り組んでおります

弊社の「第三者検証サービス」は開発の上流工程からUI/UX視点の評価を行い、ユーザー満足度向上のサポートを行うことが可能です。お客様の品質課題に合わせた、最適なご提案を行っております。詳細はこちらをご覧ください。

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