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多端末検証時の選定条件とは ~効率的に検証を行うために~

多端末検証時の選定条件とは ~効率的に検証を行うために~

利用される端末の種類が極めて多いソフトウェアをテストする場合、テストできる端末とできない端末が生じてしまうのは避けられません。こうした多端末検証時に可能な限り効果的な結果を得るには、どのような基準でテスト端末を選定すべきかを考えてみましょう。

代表的な例から、検証端末の選定観点を考える

多端末検証が求められる代表的な例と言えば、Android上で動作するアプリケーションでしょう。さまざまなメーカーより多くのスマートフォンが製造されていて、画面の解像度やカメラ、各種センサーなどの性能が異なります。また搭載されているOSのバージョンにも違いがあり、それらを掛け合わせたすべてのバリエーションでテストを行うのは到底不可能な数です。

そこで必要なのが動作保証端末を決めるテスト端末の選定ですが、「こうすべきである」という明確なガイドラインなどはありません。そのためメディアや店頭で見かける機会が多いからという理由で、「売れていそうな端末」を感覚で選んでいる担当者も多いのではないでしょうか?

利用者が多い端末を選ぶという方向性に間違いはありませんが、感覚頼みでは心もとありません。限られた予算、人員を割いて行うテストから最大限の効果を得るため、押さえておくべきポイントを踏まえた端末選定が重要です。

検証端末の選定観点、押さえておきたい4つのポイント

テスト用のAndroid端末を選定する場合を例に、判断の基準となる項目を具体的にチェックしていきましょう。なお、これらの項目は、いずれもその単体を見るだけでは不十分です。それぞれの情報を掛け合わせ、効率的な端末を見極めましょう。

■ユーザーシェア率

一般的に、利用者の多い端末は優先的にテストしたい端末と言えます。国内外ではシェア率に違いがあるので、テストする製品のターゲットを見定めて判断するとよいでしょう。

■端末のスペック

スマートフォンの端末スペックは日々向上しています。限られたコストでどの程度まで遡るべきかを考えます。基本的な性能の他、以下の点にも留意しましょう。

・サービスに影響される端末スペックや機能
例えばカメラを使うアプリケーションであればスマートフォンのカメラのスペックのように、サービスやアプリケーションに影響する特定の機能があるときは重要な判断材料になります。

・ディスプレイの解像度
きちんと表示されるかをチェックするため、スマートフォンの定番の解像度は一通りテストしたいポイントです。特殊なサイズのものなど、コストの関係などから実機テストが難しいものはエミュレータなどを利用するのも手段の一つです。

■キャリアとメーカーのバランス

普及率の高い大手のキャリア、メーカーを中心に対象を選択します。メーカーの違いにより動きが異なるケースはままあるので、できるだけ幅広いメーカーで確認したいところです。対象を絞る際はそのバランスも考慮しましょう。

■OSのバージョン

無料アップデートが基本のAndroidは、最新版から5つのOSバージョン程度で大半のシェアが占められています。この範囲のOSは、APIレベル(Androidで提供されているフレームワークAPIの修正・改訂をバージョンで識別している数値)の単位で網羅したいところです

選定に不可欠な組み合わせと優先順位の兼ね合い

多端末検証時のテスト端末選定では、「機種だけはできるだけ多く網羅する」「OSの細分化にこだわり同じAPIレベルのマイナーバージョンまでテストする」など、いずれかに要素に特化して力を注ぐのは有効な手段とは言えません。OSと機種の組み合わせによってのみ発生するエラーもあるのがその理由です。

予算や時間の兼ね合いからテストできる環境が限定されている場合、利用者のさほど多くない端末まで手を広げるより、シェア率の高い端末とOSの組み合わせをしっかり網羅することで、「できるだけ多くのユーザーにとって不具合のない製品」にすることが重要です。

なお、OSと機種に加え、先に挙げた条件をどのように組み合わせて端末を選定すべきかの判断には、すでに実施されたテストの結果を利用するのも有効です。社内に前例がある場合は、積極的に分析に取り入れましょう。またそうした事例のデータを数多く保有するサービスを活用し、効果的な策を講じるのも一つの手です。

まとめ

機種やOSが多い端末は、すべての組み合わせをテストすることは物理的に困難です。必要な条件をピックアップし、限られたコストと時間の中で最大限の効果を生み出す端末を選定しましょう。なお条件は単体で検討せず、各々を組み合わせて考えることが重要です。

【参考URL】:

http://blog.postco.jp/archives/7736(参照 2017年5月15日)

http://qiita.com/intel_yu/items/86450aab53d072d3848f(参照 2017年5月15日)