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テストチームの運営Vol.4 ~テストにかかるコストの把握と見積もりの勘所~

テストチームの運営に欠かすことのできないコストの管理も、チームの運営者の重要な業務の一つです。予算の算出をどう捉えるか、コスト検討時のポイントを確認していきましょう。

テストのコストを見積もる難しさ

テストにかかる予算の見積もりは、多くのテストチーム運営者が頭を悩ませる困難な作業です。

プロジェクトの計画から必要な工数を把握し、開発期間と品質目標を達成するのに必要なテストチームの規模を決定して、コストを算出するということが正確に行えるのが理想ではあります。ただし予算の見積もりの根拠となるこれらの要素には不確定な項目が多く、事前に正しく数値化するのが難しいという問題があります。

例えば、開発時のトラブルでテストに費やすことのできる期間が短縮され必要な人員が増える、大量のバグが見つかりテストの工数が増えるなどは、実際にやってみなければわからない要素の代表例であり、どちらも頻繁に生じています。

現実的なテストのコスト算出は、予想と報告がポイント

このように詳細な見積もりが難しいことから、テストの計画時点では、自身の経験を含め、過去の事例を目安におおまかな予算を策定するケースが多いのが現状です。初めてテストチームを運営するなど経験が不足する場合には、上司や同僚に意見を求めるなどして補うのが望ましいでしょう。

なおここでポイントとなるのが、誤差の生じる可能性を必要な相手に報告しておくことです。不確定要素とその理由を示すなど、事前にしっかりとリスクを提示しておくことで、追ってコストが増えた場合の対応のしやすさに違いがでます。

計画当初に前例から予想した予算と、実際に発生するコストに誤差が生じるのは珍しいことではありません。一方限られた時間、人員で行える作業には限りがあります。提示した予算の中でなんとかやりくりを…といった無理により、品質を担保できずテストの意義を損なうという事態を避けるため、事前の準備により適切な交渉を可能にしておきたいものです。

コストの見積もりに押さえておきたいポイント



前述したように過去の実績から予想する場合でも、実際のプロジェクトに応じた見積もりの調整は必要です。コストを検討すべき主な要素を確認しておきましょう。テストチームの運営にかかるコストは、テストの実施費用だけではありません。その他の費用も含めて見積もることで誤差を小さくすることを目指しましょう。

■テスト費用に直接かかわる項目

テストケースの作成などテストの準備にかかるコスト/バグを見つけるなどテストの実施にかかるコスト/テストの結果が修正された内容を確認するコスト

■その他の項目

テストに必要な環境を整えるコスト(端末、回線、サーバーなどのハードウェア、テスト自動化ツールなどのソフトウェア)/ミーティングやドキュメンテーションにかかる時間の要員確保にかかるコスト/人員のトレーニングにかかるコスト/出張にかかるコスト

このように見積もるべき要素は多岐に渡ります。予算の計画に変更が生じるごとに見積もりの更新を求められる可能性が高いため、柔軟な対応が可能な形で作成することでコスト管理の負担を減らすことを心がけたいものです。

まとめ

テストチーム運営のためのコストは、計画時点での正確な算出が非常に困難であり、前例などを参考にした大まかな予算でスタートすることも視野に入れて計画するのが現実的です。

コストの増減はテストチームの運営方法に関わらず避けられないケースも多いため、「予算内に収まらない」こと自体は、一概にテストチーム運営のミスとは言えません。ただし事前に可能性を提示し、計画変更やコスト不足のリスクに備えておくことは、円滑なテストチーム運営に不可欠な要素として押さえておくべきポイントです。

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テストチームの運営Vol.4 ~テストにかかるコストの把握と見積もりの勘所~ 【本記事】


【参考文献】:

『現場の仕事がバリバリ進む ソフトウェアテスト手法 初版第2刷』

【参考URL】:

https://books.google.co.jp/books?id=xEaDAgAAQBAJ&pg=PT170&lpg=PT170&dq=%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%80%80%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88&source=bl&ots=1AgTEhMJ2l&sig=Y-jZirYly2uIVSZ69x1sQb1tA0E&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwihytmhseTTAhULfbwKHZVwCukQ6AEIKzAC#v=onepage&q=%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%80%80%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88&f=false, (参照 2017年5月15日)

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